経済のしくみ

円安とは?「1ドル100円→150円」はなぜ円安?生活への影響を図解

最終確認日
3秒でわかる答えQ.円安って、わたしの生活に何が起きるの?

円安は、円の値打ちが下がることです。外国のモノを買うときは高くなり、外国の人が日本のモノを買うときは安くなります。「1ドル=○円」の数字が大きくなるほど、円安です。

同じハワイ旅行が、10万円から15万円に

ハワイ旅行で、ホテルや食事など現地で払うお金が、全部で1,000ドルだとします。

1ドルが100円なら、1,000ドルは10万円です。では、1ドルが150円だったら? 1,000ドルは15万円になります。

1ドル=100円のとき10万円
1ドル=150円のとき15万円

旅行の中身は、まったく同じです。変わったのは、1ドルを手に入れるのに必要な円の量だけ。それだけで、5万円もよけいにかかります。

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「1ドル=150円」は、ドルの値札

「1ドル=150円」を、1ドル札についた値札だと考えてみましょう。

1ドルを買うのに、いくら出す?
1ドルを買うのに、いくら出す?1ドル=100円のときは、10円玉10枚で1ドル札が買える。1ドル=150円のときは15枚が必要で、50円よけいに出す。数字が大きいほど、ドルが高く、円の値打ちが低い。これが円安。1ドル=100円のとき1010101010101010101010円玉 10枚 = 100円$11ドル札1ドル=150円のとき10101010101010101010101010101010円玉 15枚 = 150円$11ドル札← よけいに出す50円同じ1ドルなのに、出す円がふえた=ドルが高くなり、円の値打ちが下がった(円安)
同じ1ドルを買うのに、出す円がふえた。ドルが高くなり、円の値打ちが下がった。これが円安。
ゴエン博士

1ドルの値札が100円から150円に上がったら、ドルが高くなったということじゃ。そのぶん円の値打ちは下がった。だから数字が大きくなるのが「円安」なんじゃよ。

円とドルのように、ちがうお金を交換するときの比率を**「為替(かわせ)レート」**といいます。

1ドルを手に入れるのに必要な円がふえることを**「円安」、へることを「円高」**といいます。1万円で考えると、わかりやすくなります。1ドル100円なら100ドルと交換できますが、125円なら80ドルにしかなりません。同じ1万円で手に入るドルがへるのが、円安です。

円安で、高くなるもの・有利になるもの

円安は、だれにとっても同じではありません。外国とどう関わるかで、困る人と助かる人に分かれます。

円安で、高くなるもの・有利になるもの
円安で、高くなるもの・有利になるもの円安になると、外国から買うもの(ガソリンなどの燃料、食料、海外旅行)は円で払う額が増えて高くなる。一方で、外国にモノを売る会社や、日本に来る外国の旅行者にとっては有利になる。円安になると高くなる外国から買うもの燃料食料海外旅行有利になる外国に売る・来てもらう外国に売る会社日本に来る外国の旅行者
円安になると、外国から買うものは高くなる。外国に売る会社や、日本に来る旅行者には有利になる。

日本は、ガソリンのもとになる原油のほぼすべてを、外国から買っています。食べものも、カロリーで見ると半分以上が外国産です。外国では同じ値段でも、円安だと円で払う額がふえます。その分が、スーパーやガソリンスタンドの値段に上乗せされていきます。

日本銀行は、輸入品が暮らしに占める割合が高まり、円安が物価に響きやすくなっていると分析しています。物価が上がるしくみは、「インフレ・デフレ」の記事でくわしく図解しています。

一方で、外国にモノを売る会社は、同じ1ドルで売っても受け取る円がふえます。日本に来る旅行者にとっては、日本の買い物が安く感じられます。

円は、ずっと動いてきた

円とドルのレートは、これまでどう動いてきたのでしょうか。

円とドルの歩み(1970〜2025年)
円とドルの歩み(1970〜2025年)1ドル=何円かの年平均の折れ線グラフ。上に行くほど円安。1970年までは360円の固定。その後は円高が進み、2011・2012年は約80円。2024年は約152円と、2012年の約1.9倍の円が必要になった。100200300400(1ドル=円)↑上に行くほど円安360円(固定)1973年から変動相場制約80円約152円12年で、必要な円が約1.9倍に1970198019902000201020202025
上に行くほど円安。2012年の約80円から2024年の約152円へ、1ドルに必要な円は約1.9倍になった。

1949年、日本は1ドル=360円とレートを決めました。1973年からは、レートが毎日変わる**「変動相場制」**になっています。

その後は円高が進み、2011・2012年は年平均で1ドル約80円でした。そこから円安に向かい、2024年は年平均で約152円です。

ゴエン博士

2012年に8万円で買えた1,000ドルの旅行が、2024年には15万円ほどかかる計算じゃ。旅行の中身は同じなのに、じゃよ。

レートは、だれかが決めているわけではありません。「円がほしい人」と「ドルがほしい人」の、売り買いのバランスで決まります。たとえば、アメリカの金利が日本より高いと、ドルで預けたい人がふえて、ドルが買われやすくなります。

ゴエン博士のたとえ話

ゴエン博士

ドルを、お店で売っている商品だと思ってみるんじゃ。1ドルという商品の値札が、100円から150円に上がった。商品が値上がりしたんじゃから、同じお金で買える量はへる。円の値打ちが下がった、というわけじゃな。

ただし、ここはたとえと違う

お店の値札とちがって、為替レートは毎日、刻々と変わります。値段を決める店主もいません。世界中の「円がほしい人」と「ドルがほしい人」の売り買いで、自然に決まります。

よくある誤解

誤解1ドル100円→150円は、数字が大きくなったから円高
正解

逆で、円安です。1ドルを手に入れるのに、50円多く出さないといけなくなりました。ドルが高くなり、円の値打ちが下がったということです。

誤解円安になると、みんなが損をする
正解

外国にモノを売る会社や、日本に来る旅行者には追い風です。困るのは、燃料や食料など輸入品をたくさん買う人や会社です。同じ円安でも、立場によって受け止め方は逆になります。

誤解円の値段は、日本の景気だけで決まる
正解

外国の動きにも大きく左右されます。日本銀行の研究者の分析では、2021年1月から2023年9月までの円安の多くが、アメリカの金利の上昇で説明できるとされています。

意見が分かれるところ:円安は、日本にとってプラス?
プラスが大きいとする見方

外国に売る会社のもうけや、海外からの収入がふえる。日本に来る旅行者の買い物もふえる。日本銀行の分析でも、円安は全体として景気を押し上げるという結果が出ている。

暮らしへの負担を重く見る見方

燃料や食料が値上がりし、家計が買える量がへる。輸入品の割合がふえて、物価にも響きやすくなっている。もうかる会社と苦しくなる会社の差も大きい。

日本銀行は、円高でも円安でも、急に大きく動くこと自体が企業にとって悪い影響になりうる、とも指摘しています。

自分の数字で試す

ドルでの値段と、1ドルが何円かを選んでください。円でいくら払うかを、1ドル=100円のときと自動で比べます。

ドルでの値段
1ドル=何円?
1ドル=100円のとき100,000円
1ドル=160円のとき(円安)160,000円
同じ1,000ドルでも、円で払う額は 60,000円 高くなる。
逆に、日本に来る外国の旅行者にとって、1万円は
  • 1ドル=100円のとき100ドル
  • 1ドル=160円のとき約63ドル

両替の手数料はふくみません。実際のレートは毎日変わります。1万円が少ないドルで払えるほど、外国の旅行者には日本の買い物が安く感じられます。

で、自分はどうする?

  1. 「1ドル=○円」は、ドルの値札として読む 数字が大きいほど円安で、海外のモノは高くなります。ニュースで数字を見たら、「ドルの値札が上がった?下がった?」と考えてみましょう。
  2. 海外旅行や通販は「ドルの値段 × レート」で見積もる レートが少し動くだけで、円で払う額は大きく変わります。カードや両替には、手数料が別にかかることも確かめましょう。
  3. 値上げのニュースを、為替とつなげて読む 燃料や食料の値上げのニュースでは、円安が理由の1つになっていないか見てみましょう。暮らしの値段と世界のつながりが見えてきます。

理解チェック

Q1 / 31ドル=100円が、1ドル=120円になった。これは円高?円安?
Q2 / 3円安のとき、有利になりやすいのは?
Q3 / 31,000ドルの旅行。1ドル=100円のときと150円のときで、円で払う額の差は?

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出典と計算の前提最終確認日:2026年10月14日