経済のしくみ

金利とは?利上げで、わたしの暮らしに何が起きる?ローン・預金への影響を図解

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3秒でわかる答えQ.利上げって、わたしに何が起きるの?

金利は、お金のレンタル料です。金利が上がると、お金を借りている人は払う利息がふえ、お金を預けている人は受け取る利息がふえます。日本銀行が動かした金利の波は、預金やローンを通じて、わたしたちの家計に届きます。

同じ3,000万円のローンでも、利息が2倍に

家を買うために、銀行から3,000万円を借りて、35年かけて返すとします。

金利が0.5%なら、毎月の返済は77,876円です。金利が1.0%なら、84,686円になります。毎月の差は6,810円ですが、35年分を合わせると、払う利息は大きくちがいます。

金利0.5%のとき 利息の合計約271万円
金利1.0%のとき 利息の合計約557万円

金利の差は、たった0.5%。それなのに、35年で払う利息は約2倍になります。

反対に、お金を預けている人にとっては、うれしい話です。100万円を金利1%で1年預けると、利息は1万円。そこから税金(20.315%)が引かれて、受け取るのは7,968円です。

※この記事の金利の数字は、しくみを説明するための例です。

図解でしくみを見る

金利は、お金のレンタル料

お金を借りた人は、借りたお金に上乗せして利息を払います。この利息が、借りたお金の1年あたり何%かを表したものが金利です。

金利は、お金のレンタル料
金利は、お金のレンタル料銀行からお金を借りた人は、銀行にレンタル料(利息)を払う。銀行にお金を預けた人は、銀行からレンタル料(利息)を受け取る。預金は、銀行にお金を貸しているのと同じだから。金利は、このレンタル料が1年で借りた額の何%かを表す。お金を借りる人家を買う人、工場を建てる会社など→ 銀行から、お金を借りている利息を払う(お金のレンタル料)銀行受け取る利息と、払う利息の差が、銀行のもうけになる利息を払う(お金のレンタル料)お金を預ける人預金は、銀行にお金を貸しているのと同じ。だから利息がもらえる
お金を借りた人はレンタル料(利息)を払い、お金を預けた人はレンタル料を受け取る。金利は、そのレンタル料の割合。
ゴエン博士

金利1%というのは、100万円を1年借りたら、レンタル料が1万円ということじゃ。**借りる人は払い、預ける人は受け取る。**だから同じ「利上げ」でも、立場によって意味が逆になるんじゃよ。

預金は、銀行にお金をあずけているように見えます。でも、しくみとしては銀行にお金を貸しているのと同じです。銀行の帳簿でも、預金は「いつか返すお金(負債)」として記録されます。だから銀行は、預けた人に利息を払います。

銀行は、お金を借りた人から利息を受け取り、預けた人に利息を払います。その差が、銀行のもうけになります。

金利の波は、どう広がる?

ニュースの「日銀が利上げ」は、日本銀行が決める政策金利を上げることです。政策金利は、銀行どうしがごく短い期間(翌日まで)お金を貸し借りするときの金利の目標です。

金利の波は、どう広がる?
金利の波は、どう広がる?日本銀行が決めるのは政策金利。その影響を受けて、預金の金利や変動金利のローンの金利が動く。固定金利のローンは、国債の売り買いで市場が決める長期金利の影響を受ける。どちらの波も、最後はわたしたちの家計(預金の利息や毎月の返済額)に届く。日本銀行政策金利を決める市場国債の売り買いで決まる預金の金利変動金利のローン長期金利(10年の国債の利回り)固定金利のローンわたしたちの家計預金の利息がふえる・へるローンの毎月の返済額が変わる
日本銀行が決めるのは、出発点の金利。預金や変動金利のローンはその影響を受け、固定金利のローンは市場の長期金利で動く。どちらも最後は家計に届く。

政策金利が上がると、銀行がお金を用意するコストも上がります。すると、預金の金利や、変動金利の住宅ローンの金利も上がりやすくなります。

一方、返し終わるまで金利が変わらない固定金利のローンは、10年の国債の利回り(長期金利)の影響を受けます。長期金利は、国債の売り買いで決まります。そこには、この先の金利や景気・物価がどうなりそうか、という予想が反映されます。日本銀行の動きは、その予想にも影響します。

金利の波は、家計だけにとどきません。会社がお金を借りるときの金利も上がるので、会社の設備投資や雇用にも影響します。外国との金利の差は、円高・円安の動きにもつながります(くわしくは「円高・円安」の記事で)。

日本の金利は、長いあいだ0%近くだった

日本の金利は、これまでどう動いてきたのでしょうか。

日本の短期金利の歩み(1996〜2025年)
日本の短期金利の歩み(1996〜2025年)日本銀行が誘導する短期の金利(無担保コールレート翌日物)の月平均。1999年からはほぼ0%が続き、2016年から2024年3月まではマイナスの時期だった。2024年からは引き上げが続き、2025年には0.5%前後になった。マイナス金利2016〜2024ゼロ金利00.250.5(%)2024年から引き上げへ200020052010201520202025無担保コールレート翌日物(月平均)
1999年ごろから、金利はほぼ0%。2016〜2024年はマイナスの時期もあった。2024年から引き上げが始まった。

日本銀行は1999年、この金利をできるだけ0%に近づけるゼロ金利政策を始めました。2006〜2008年に一時0.5%まで上がったものの、また0%近くにもどり、2016年には、さらに一歩進めたマイナス金利政策も始めます。お金を借りやすくして、景気と物価を支えるためでした。

2024年3月、日本銀行はマイナス金利をやめました。その後は少しずつ金利を引き上げ、2025年12月には、政策金利を0.75%程度にしています。

ゴエン博士

いまの20〜30代の人は、物心ついてからずっと「金利はほぼ0%か、マイナス」の世界で暮らしてきた、ということじゃ。金利が上がる経験は、ほとんどなかったんじゃよ。

ゴエン博士のたとえ話

ゴエン博士

金利は、お金のレンタル料じゃ。自転車を借りたら、借りた時間に応じてレンタル料を払うじゃろう? お金も同じで、たくさん、長く借りるほど、払うレンタル料は大きくなる。そのレンタル料の「割合」が金利なんじゃよ。

ただし、ここはたとえと違う

自転車のレンタル料は、だれが借りてもふつうは同じです。でも金利は、借りる人によって変わります。きちんと返してもらえるか心配な相手ほど、金利は高くなりがちです。借りる期間の長さや、変動か固定かによっても変わります。

よくある誤解

誤解ローンがない人には、金利は関係ない
正解

預金の利息が変わります。会社がお金を借りるときの金利も変わるので、会社の投資や給料にもつながります。外国との金利の差は、円高・円安を通じて、輸入品の値段にも影響します。

誤解金利は、ぜんぶ日本銀行が決めている
正解

日本銀行が決めるのは、出発点となる政策金利だけです。住宅ローンや預金の金利は、それぞれの銀行が決めます。固定金利のローンは、市場で決まる長期金利の影響を強く受けます。

誤解金利が上がれば、預金だけで安心
正解

物価の上がり方と比べることが大切です。預金の金利が1%でも、物価が毎年2%上がれば、買えるものは少しずつへっていきます。利息からは税金も引かれます。物価との関係は、「インフレ・デフレ」の記事でくわしく図解しています。

意見が分かれるところ:利上げは、日本にとってプラス?
必要だとする見方

物価が上がりすぎるのをおさえる。外国との金利の差が縮まって、円安の行きすぎにも歯止めになりうる。預金にも利息がつくようになる。

慎重に進めるべきとする見方

会社や家計の借金の負担がふえ、景気を冷やすおそれがある。変動金利のローンを借りている人は、返済がふえる。国の借金の利払いもふえていく。

財務省の試算でも、金利が上がると、国の借金にかかる費用(国債費)は年々ふえていくとされています。どのくらいのペースで金利を上げるのがよいかは、専門家のあいだでも意見が分かれます。

自分の数字で試す

借りる額・金利・返す期間を選んでください。金利が0.5%上がったら、毎月の返済と利息の合計がどう変わるかを、自動で比べます。

借りる額
金利(1年あたり)
返す期間
金利1.0%のとき毎月84,686円
利息の合計 約557万円
金利1.5%のとき(0.5%上がったら)毎月91,855円
利息の合計 約858万円

借りたお金 利息

金利が0.5%上がるだけで、毎月 7,170円、利息の合計は 約301万円 ふえます。
返す期間でくらべると(金利が1.0%→1.5%で、利息がふえる額)
  • 5年で返す約39万円
  • 20年で返す約163万円
  • 35年で返す約301万円

元利均等返済(毎月の返済額が同じ)で、金利は返し終わるまでずっと同じと仮定した目安です。手数料や保険料はふくみません。実際の変動金利は、途中で上がったり下がったりします。

で、自分はどうする?

  1. 利上げのニュースは、「借りる側」と「預ける側」の両方で読む ローンを借りている人には負担がふえ、預金している人には利息がふえます。自分はどちらの立場が大きいかを考えると、ニュースが自分ごとになります。
  2. ローンを組むときは、金利の差を「総額」で比べる 0.5%の差でも、長い借金では数百万円の差になります。変動金利は、借りたあとに金利が上がると返済がふえることがあります。金利や返済額の見直しのルールは銀行や契約ごとにちがうので、借りる前に確かめましょう。
  3. 預金の金利は、物価の上がり方とくらべる 金利が上がっても、物価がそれ以上に上がれば、預金で買えるものはへります。お金の置き場所を考えるときは、「実質」で見るくせをつけましょう。

理解チェック

Q1 / 3銀行にお金を預けている人は、しくみとしては銀行に何をしている?
Q2 / 3返し終わるまで金利が変わらない「固定金利」の住宅ローン。その金利に強く影響するのは?
Q3 / 33,000万円を35年で返す住宅ローン。金利0.5%と1.0%で、払う利息の合計はどうなる?

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出典と計算の前提最終確認日:2026年10月14日